update 2018/10/14

JR9VQの(冬場の)電源事情

「なぜご利用時間を制限させていただかなくてはいけないのか」のご説明です
(地上レピーターとの根本的違い)
JR9VQは、アマチュア無線ならではの未知との遭遇を求める素晴らしいレピーターであり、電波が届いている全エリアとの交信ができいろんなチャンスが訪れる大切なリソース(資源)です。このような設備を常時有効に使えるならば最高であり、私たちもそうありたいと願って日々努力しております。

日本アマチュア無線連盟の直轄レピーターや、会社組織などで動かしているレピーターは資金面での苦労はなく、また業者を使うことで労せずメンテナンスができていますが、それらを除きほとんどがボランティアで行っています。それぞれのレピーターには苦労してお世話をしている人々や、協力してメンテナンスして下さる方々、募金や資材を投入してくださる方々があるわけで、そう言う人たちが「使っていただいてよかった」と思ってもらえる気持ちのいい通話をお願いしたいものです。

また、常時耳を傾けて下さっていらっしゃる方々には深く感謝しております。しかし、緊急に備え24時間電源を入れておりますが下記のようなやむを得ない理由で利用時間を(設定範囲内に)制限せざるを得ないこともご理解下さい。

ここには商用電源が来ておりません。かろうじて夏に蓄電した電池で動かしており、これが「地上のレピーターのような使い方ができない」すべての理由と言っても過言でありません。「お馴染みさん」におかれましては「規定の時間以外」には、つながっても移動地、メリット(信号強度)など無線に関することのみの短時間交信にて1タイムアウト内で切り上げて長時間占有にならないよう模範的な通話をお願いします。ローカルのお馴染みさん同士の「もしもしごっこ」は聞きづらく無線とは関係ない「どうでもいい」「広域レピーターにふさわしくない内容」の品位の下がる会話が目立つ場合があります。こういった方々の中には「どこのレピーターだろうと動いていれば使えばいい」という、アマチュア無線にあってほしくない低レベルの意識の方が見受けられることはたいへん残念なことです。アマチュア無線にも「礼儀」というものがあります。行儀の悪い人はアマチュア無線を使う資格はありません。お世話をしている人たちが「使っていただいてよかった」と思ってもらえる気持ちのいい通話をお願いしたいものです。


特に、このレピーターにあっては電池で動いており、
「必要のない長時間通話で電池が消耗し、大切な通信ができなくなる」

と言う事態を何としても避けなければならないのです。

でも、珍しい(地域の)局が出て来られたら是非拾ってあげてください。無線の輪が広がることは素晴らしいことです。その時は、「ご利用時間帯」への誘導、周知、JR9VQのホームページの紹介などしてあげて下されればなおいいかと思います。
緊急に備え24時間電源を入れておりますが、日没以後〜翌朝までの夜間は電源への負担があまりにも大きいので厳にご遠慮下さい。(緊急の場合を除く)


理由はいろいろありますが大きくは次の2点です:

1.冬期の蓄電量は減る一方
このレピーターには商用電源が来ておらず、バッテリーでぎりぎりの状態で動いています。冬季(9ヶ月)は夏季(3ヶ月)に蓄電したバッテリーの残り利用で動かさねばなりません。地上のレピーターと同様の自由に気ままな使い方では「すぐに電気を食い潰す」ことになってしまうのです。バッテリーは容量が多いほど長く持ちますが、場所、輸送搬入、メンテナンス、これらの費用は大きく我々を圧迫しています。我々は冬場、電源不足との戦いをしているようなものです。
電源を落としてしまえば保守部分に0.6W(50mA)程度で全く問題が無くなるのですが、動作しません。緊急のためには24時間電源が入っていなければならず、待機状態では6W(0.5A)ほど消費し「やや心配」と言うところです。これに通話が始まると送信部や制御部を始めすべてのシステムに電源を供給しなければいけないため総合計で待機時の10倍もの60W(5A)を超える消費が行われます。たったの60Wと思われるかも知れませんが、電池での連続60Wはとてつもなく大きな負担です。110Ahという大きなバッテリーでも、マイナス40℃を下回る温度では容量が6割程度にまで落ちます。もし110Ahフルに使えるような満タンですら12時間が限界となりますが、来年(2018/07/01)の山開きまで持たせなくてはならないのに1日に1時間余分に動くだけで5日分潰してしまう計算になります。
もし、ここで電力切れとなってこの後起こり得る大切な通信に使用できなくなった場合、レピーターが利用できれば少なくて済むかもしれない重大な被害の救済ができなくなってしまいます。

2.バッテリーの保護
この場所は、天気予報でも良く出てくる「輪島上空-52℃」などという寒気がもろにやってくる場所です。3,000mの高さでは地上の気温からおよそ18℃低くなりますが、加えて大陸からやってくる寒気がもろに当たります。バッテリーは低い温度では容量が極端に下がり(6割程度にまで下ることがあり)ます。しかも消耗して液比重が下がると凍結しやすくなります。一旦凍結してしまうと電極が崩れバッテリーの復旧は不可能で大損害となります。一方、凍結によってバッテリー容器の破損が起きた場合電解液が流れ出し、建物を始め周囲に多大な損害を与えかねません。このため、待機状態の補償程度に小さなソーラーパネルでごくわずか発電補充しているのですが、環境への配慮から見えにくいところに小さなパネルなので冬には日も短くなり積雪の影響下、限界値割れとなっています。そこへ大きな負担を連続で与えることは多大のダメージを与えることになります。そのため、2016年も山じまいのあと、平気で無駄遣いされる方があってバッテリー保護装置で全システムがシャットダウンされてしまいました。その期間に何かあっても使えないのでは真面目な人たちにとって迷惑千万です。
そんな意味ではこの時期の深夜の電気はバッテリーの消耗(劣化)が激しく1分当たり\1,000円をユウに超え、私たちボランティアに重い負担として強いられています。もちろん、人命ならばそんな価格では代えられません。

3.その他
16:00〜17:00の冬至(ご利用)時間内にみなさんが集中していただくことは思いがけないチャンスがあるかも。この時間帯にみなさんが集まっていただくことでお互いの時間が重なり合うチャンスが増えます。

2018/10/01〜は、通常の冬季(2018/10/1〜2019/6)のご利用時間帯も冬至期間(2018/11/21〜2019/01/20)もすべて、(16:00〜17:00)を予定しております。バッテリーが予想以上に多大のダメージを受けてしまっていますので、今後の運用は逐次検討の上「今後の運用ページ」にてご案内します。マナーを守っていただけない方への対応に苦慮しています。

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